世界共通の教え 日本とロシアを結ぶ歴史
正教は、長らく東ローマ帝国の傘下にあって、西欧のキリスト教とは異なる歴史を重ねてきました。西欧で起こった宗教改革や反宗教改革の動きと無縁だったため、キリスト教の古いかたちを今日に伝えている、もっとも正統的な教派といえるかもしれません。このため、カトリックの「旧教」、プロテスタントの「新教」に対して、「正教」と呼ばれます。東ローマはギリシャ人中心の国でしたので、「ギリシャ正教」と呼ばれることもあります。
古代ルーシ世界が東ローマから先進文化を取り入れるなかで、正教はロシアに受容され、東ローマ滅亡後は、ロシアが最大の正教国となりました。
ソ連時代、マルクス・レーニン主義の唯物論に基づき、ロシア正教は厳しく弾圧されましたが、ソ連崩壊後は再びロシア人のこころを捉え、復活しつつあります。カトリックやプロテスタントの多い西側諸国と異なり、ロシアのキリスト教は、今でもロシア正教が中心的です。
カムチャツカ最大の正教の聖堂
三位一体主教座大聖堂 遠景
正教は世界共通の教えで結ばれています。
組織としては一国一教会の制度を取っており、ブルガリア、ルーマニア、グルジアなど、東欧諸国を中心に各国に正教会があります。カトリックにおけるローマ教皇のような、全世界を従わせる首長はいません。東ローマの首都だったイスタンブールに全地総主教がいらっしゃいますが、名目上の筆頭者です。
日本には、幕末から明治にかけて、ロシア出身の亜使徒聖ニコライによって、正教がもたらされました。東京の「ニコライ堂」は日本正教会の総本山にあたります。
四国の正教
四国にも、徳島と高松に正教会があり、日曜日に礼拝(奉神礼)を行うなど、教えを今日に伝えています。
四国でただひとつの正教の聖堂
徳島ハリストス教会
かつては松山にも正教会がありました。
日露戦争時の捕虜が埋葬されている「松山ロシア兵墓地」には、正教、イスラム教、ユダヤ教など、さまざまな信仰をもつ旧ロシア帝国の兵士が祀られています。毎年11月には、正教の様式で追善供養が行われています。
2013年5月
復活祭
2013年8月 カムチャツカから参祷
2013年10月 代表 参祷
2014年1月
元旦 新年感謝祈祷
2014年3月 大斎
2014年4月 復活祭
2015年1月 元旦 新年感謝祈祷
2015年4月 復活祭
カムチャツカの正教会
カムチャツカにも多くの正教会があります。
現地出張のおりにお参りします。
至聖三者大聖堂
州都ペトロパヴロフスク・カムチャツキーの中心地にある、カムチャツカで
いちばん大きい教会です。2000年に着工し、2010年に成聖されました。現在
も、鐘楼などの付属建築物の建設が進んでいます。
聖ピョートル聖パウロ教会
州都ペトロパヴロフスクにあるもうひとつの教会です。
聖ピョートルと聖パウロは、航海家ベーリングが現在のペトロパヴロフスクにあたる土地に辿りつき、街を開基することになったときの、2隻の船の名
前でもあります。
生神女就寝聖堂
州都ペトロパヴロフスクのベッドタウン・エリゾヴォ市の中心にある大きな教会です。近年いちど焼失しましたが、再建されました。
アレクサンドル・ネフスキー聖堂
ペトロパヴロフスク旧市街にある小さな木造の教会です。近代建築への立て 替え工事が進んでいます。
近くに泉があって、厳寒のなかでも身を清める人たちがあります。
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